創業者利益とは、会社の創業者が株式公開に際して持ち株を売り出して得る利益のことです。
注目度の高いIPOは、公開時に投機が加わって企業の利益や成長性などから想定される価値よりも高くなる傾向があり、創業者利益は莫大なものとなることがあります。
■公募とは、売り出しとは
株式公開の際に放出される株式には、大きく分けて「公募」と「売り出し」の2種類があります。
「公募」とは、株式公開する企業が新規に株式を発行し、株主を公募することをいいます。
公募により調達した資金は、会社の自己資本に参入され、今後の会社の利益拡大に向けた設備投資や研究開発などに充てられます。
一方で、「売り出し」とは、会社の創業者が株式公開に際して持ち株を売り出すことであり、これは新規に株式が発行されるわけではなく、単に創業者が自分の利益を得るために行うものです。
■創業者利益は善か悪か
注目度の高いIPOは、公開時に投機が加わって企業の利益や成長性などからくる価値よりも高くなる傾向があり、創業者利益は莫大なものとなることがあります。
そのため、創業者利益は、IPOを目指す起業家にとってのモチベーションとして非常に大きなものがあります。
一方で、株式公開に際し、「公募」と比較して「売り出し」があまりにも多すぎると、単なる創業者利益の確定のための上場であると市場から見なされることもあります。
よく「上場ゴール」という言葉を聞きますが、「公募」と比較して「売り出し」があまりにも多すぎるような「上場ゴール」見え見えのIPOは、よほどIPO市場の地合いが良くなければ、人気化することはありませんので注意しましょう。
これは、IPOの銘柄選別の一つのメルクマールとなるでしょう。
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