公募割れIPOを避けるためには何を分析すればよいのでしょうか?
何も複雑で難しい分析をする必要はありません。
基本的に、IPO投資は、Yahoo!Finance(新規上場企業)などのような無料で手に入る情報を元に簡単な分析を行えば十分勝てます。
「なかなか手に入らない裏情報」などを入手する必要も一切ありません。
なぜならば、IPO投資に参加するのは、ほとんどが個人投資家だからです。
個人投資家はみんな、Yahoo!Finance(新規上場企業)などのような無料で手に入る情報を元に投資判断をしています。
ですから、みんながIPO投資の参考としている情報を、素直に単純に分析すればよいのです。
Yahoo!Finance(新規上場企業)では、上場予定企業の
上場日
コード
上場市場
名称
主幹事
BB期間
BB上限・下限
公募値
公開株数
売買単位
事業内容
過去の業績
注目度
などの情報が手に入ります。
では、このなかで特にどのような情報に注目すればよいのでしょうか?
公募割れIPOを避けるためには、まず、IPO市場のトレンドを分析することが重要です。
えらそうに「トレンドを分析」と書きましたが、難しく考える必要はありません、「トレンドを把握」レベルで結構です。
IPOは、上場する時期のIPO市場の状況によって、初値形成のパフォーマンスが非常に異なります。
以下の表を見て下さい。
年 | IPOの数 | 初値>公募価格 | 初値=公募価格 | 初値<公募価格 (公募割れ) |
平均初値上昇率 |
2007年 | 121 | 89 | 3 | 29 | 49.6% |
2006年 | 188 | 159 | 9 | 20 | 77.0% |
2005年 | 158 | 151 | 4 | 3 | 134.4% |
2004年 | 175 | 165 | 3 | 7 | 100.9% |
2003年 | 121 | 104 | 13 | 4 | 59.6% |
2002年 | 124 | 91 | 23 | 10 | 不明 |
IPO市場が好調な時期は、どのようなクズIPOであっても、公募割れするようなことはほとんどありません。
例えば、2003年~2005年に上場したIPOは、わずか2~3%しか公募割れしていません。
好調期は、イケイケドンドンでIPOに申し込んでも、公募割れIPOを掴むリスクはほとんど低いと考えてよいでしょう。
一方、IPO市場が不調な時期は、通常は公募割れが想定されないような優良IPOであっても公募割れする場合があります。
例えば、2007年に上場したIPOは、24%も公募割れしています。
IPO投資の基本的な仕組みについては理解した!
証券口座もたくさん準備した!
ある程度の投資資金も準備した!
IPOの当選確率を高めるコツも理解した!
これでIPO投資の準備はOKです。
さて、それでは、どのIPOの抽選に申し込めばよいのでしょうか?
IPO投資はリスクの低い投資だと思いますが、ノーリスクというわけではありません。
IPO(新規公開株)のリスクのコーナーでも解説しましたが、IPOには公募割れリスクがあります。
IPO市場が好調だった2003年から2005年までは数%しか公募割れしていませんが、地合いが悪化してきた2007年では約4分の1のIPOが公募割れしています。
このように、IPOは絶対に儲かる投資というわけではないということを肝に銘じましょう。
しかしながら、その時々のIPO市場のトレンドにもよりますが、公募割れするIPOにはいくつかの共通する特徴、傾向があります。
それらを研究・分析することにより、公募割れIPOをつかむリスクを限りなくゼロにすることは可能です。
IPO投資の効率を高めるためにも、公募割れIPOはなるべく避けたいものですね。